第4話 幻の第1回

2019年5月14日

2019年5月13.14日で幻の第1回が行われました。

前日(12日)、大阪や徳島から来た仲間たち7人で新城の桜淵という場所にある旅館、さくら別館に泊まりました。翌朝、旅館の女将が何の集まりですか?と聞いてくださったので、「先祖からの土地を活かして暮らしを楽しもうと思っています。」と伝えました。

すると女将さんが「楽しむことが大切ね、頑張ると続かないから。」と言った後、私はあなた方のような活動を支援するための市の助成金の担当をしていると伝えてくれました。驚きました。後で遊びに行くわね、と言ってくれ旅館を出ました。

前日入りのメンバーも含め初日の参加者は16名になりました。

始まる前、参加者と親戚たちが偶然家の前で一緒になり、その流れで家の前にある日吉神社に皆でお参りすることになりました。父の二礼二拍手一礼で安全を祈願。まさか親、親戚、友人たちと一緒に始められるとは思いもしませんでした。

土の上で裸足になり翔太さんの話を地中と地表の水と風の流れについて聴いた後、竹やぶから下のため池までの水が流れる道の再生を始めました。翔太さんはまずは竹藪を皆で歩くといいます。この中に入れるの?というくらい竹藪はうっそうとしていたのですが、その中を人が縦横無尽に歩くことで獣道のような道ができ、そこに風の通り道が作っていく。普段、都会で過ごしている仲間たちは竹藪に入ることを最初は戸惑いましたが、後藤翔太さんの指導を聴きながらお昼頃には山の中を歩くことにすっかり慣れていました。一通り竹藪の中を歩いた後、沼の周りや水路を覆う竹をきったり、笹を落としていきました。笹は鎌を使っても力づくで切ろうとするとなかなか切れません。力で笹を切ろうとしている僕に、笹は節を感じ、そこに手あてると手でも折れることを教えてくれました。その感覚を覚えるまで道具に頼らない方がいいといいの僕の鎌を翔太さんが取り上げました。悪戦苦闘しながらも頭を使わず、ただ笹を感じて、身体を動かしていると、、、時折、バットの芯にボールが当たった時のように力を使わずパキと笹が折れる感覚が分かりもう感動です。”考えるな感じ

ろ!!”の体験はとても気持ち良く、経営者の方はこの感覚を経営そのものといい、整体師の方は整体と同じといい、全てのことに通じることが自然から学びることが分かりました。

自然に触れるのではなく、自然の循環の中に入る面白さにハマっていきました。

竹藪を手入れし始めると、ついつい自然を自分が思い描く姿に整えたくなりますが、人間が描いた理想の形にすると、他の生命が住みにくくなり生態系が壊れてしまうそうです。

 笹の節目を感じて、笹の声を聞き、笹が切ってもいいという場所で切っていくと自然と竹藪は整っていく。すると、竹藪に風が吹き、蝶々が通る道ができる。もしトンボが飛んだら風が早すぎる。トンボは水の上も飛べるから。その時は一段上の節を切っていくことを教わりました。蝶々が飛ぶ?本当?と思っていたのですが1日目の終わりごろになると手入れしたところに風が通り、そこを蝶々が舞うようになりました。ある番組で映画監督の宮崎駿さんが蝶々は蝶々道という風の道の上を通るという話をしていて、それを目の当たりにしました。

 最初竹藪を見てここに人が入れるの?と思っている状態でしたが、1日目の終わりには参加者全員が“風の流れ”を感じ、森の中を自由に行き来きできるようになっていました。

そうそう、お昼に旅館の女将さんがお茶の差し入れを持って来てくれました。着くや否や、女将さんとその日手伝いに来てくれていた女性整体の方が顔を見合わせ、なぜここにいるの?とお互い驚いています。女将はその女性整体師の腕に惚れ込み、その方のお店がある豊橋まで30分以上かけて通っていたそうです。すごいご縁だと思いました。

その後も、新城ではこのような不思議な体験が毎回のように起こることになります。

2日目は竹やぶから下の溜池の排水口まで水の流れに沿って溝をスコップや”みつクワ(先が三つになった鍬)”で掘っていきました。最初、沼のぬかるみが怖く感じましたが、2日目の終わりには雨の中にもかかわらず、皆、沼の上の硬いところを見つけ自由に沼の上を歩き作業する姿に感動しました。支流、本流、共に水が流れました。

上から下まで風と水が通ったことで、場の空気は大きく変わりました。竹やぶと溜池が自分の庭のように感じられるようになりました。何十年かけ地下に堆積されたものを思うと、再生は始まったばかりですが、これからも自然と共に一歩一歩歩んでいきたいと思いました。

大地の再生を手がけてくださる後藤翔太さん、遠方より参加してくださった皆、

豊橋コツ塾の仲間、親父さん、本当にありがとうございました。

次回日吉の大地の再生は、

5/23(木) 5/24(金)で行います。

フォレストガーデンとなる上の庭の
地形を生成していきます。

後藤さんと食べれる森庭づくりの専門家、
3人の専門家をお呼びして行います。

体験、見応えのある作業となると思います。

参加できる方はこちら

もしくは個人メッセージに連絡ください^_^